
関西の農業粗生産額は1992年で1兆3,930億円。対全国シェア
は9.3%とかなり低い。これは関東や中部など他の地域に比べて平地の部分が
少ないことも影響している。そのうえ農家の戸数が、1985年の48万戸余りから、
1993年には38万戸余りにまで急減した。これは都市化の進展で、農地が減少し
たためである。
そうした中で、成長が期待されているのが、新しい技術による農業生産である。
江戸時代の始め(1600年代)河内平野(大阪府)では5毛作を行なっていた史
実があり、歴史的にも農業の先進地であったといえる。
今では、土を使わず必要な成分を溶かし込んだ水で栽培する水耕野菜は工場で
生産される。バイオテクノロジーを駆使した研究室からコメ、野菜の種子は生
まれる。
関西ではまた、林業、畜産業も盛んである。奈良県の山間部では森林資源が豊
かで、特に吉野地方の吉野杉は高級木造建築資材として利用されている。また
畜産業では、兵庫県の但馬地方で飼育されている但馬牛が有名で、兵庫県の肉
牛の飼育農家は5,140戸、飼育頭数は7万頭(1994)と全国第12位である。