
情報発信の媒体としては、新聞、テレビ・ラジオ、出版がある。新聞は、朝日、
毎日、読売、産経、の4大全国紙が、東京と並んで大阪にも本社を置いている。
いずれも数百万部以上の発行部数を誇り、世論形成に大きな影響力を持ってい
る。さらに関西の各府県にはそれぞれ有力な地方紙があり、地域毎のきめ細か
い情報伝達と地域の文化に貢献している。
テレビ局は関西一円をカバーするVHF局が6波あり、そのうち2波はNHK(日本放
送協会)が放送し、他の4波は民間放送局である。NHKは視聴者が直接拠出する
受信料を財源とし、国家機関から独立して放送を行う公共放送である。このほ
か各府県毎にUHF局(NHKおよび民間)があり、各地域の情報サービスを行って
いる。
なお全国的な放送としては、DBS(DirectBroadcastingSatellite/直接放送
衛星)を利用した衛星放送も行われている。現在NHK2波、民間の「WOWOW」1波
が放送を行っている。民間放送も視聴料を徴収する有料放送である。また、ハ
イビジョンの実用化試験放送も行われている。
ラジオ局の場合も放送や番組内容の仕組みは、基本的にテレビ局と同様で、関
西一円をカバーする主要局5波(NHK2局、民間3局)と神戸、京都、和歌山その
他に県域局がある。これらはいずれも中波の放送である。このほか、短波放送
局が1局2波(全国放送)とFM放送局が関西一円をカバーするもの3波(NHK1局、
民間2局)および神戸、京都、和歌山、徳島などに県域局がある。
出版事業に関しては、茶の湯など関西の伝統文化を中心に扱う京都の出版社や、
現代評論や建築等の専門分野を扱う大阪の中堅出版社もある。関西国際空港の
開港に伴い、英文による本格的な外国人向け情報誌の出版も始まった。
電話など、電気通信産業の分野では、市内、長距離、国際、移動体など各々の
市場において電気通信企業間の競争が激化しつつある。これらの電気通信事業
と放送、コンピュータ市場との融合も始まりつつある。