
大阪人権博物館(リバティおおさか)は、部落差別、女性差別、外国人差別な
ど、あらゆる差別の撤廃を目指し、日本最初の人権に関する総合博物館として
開設された。今年で10周年を迎え、1995年12月に装いも新たに再オープンする。
人権問題にかかわる資料収集とその公開を通して、人権意識の向上などをはか
るのがその創立時からの理念である。
新装された展示室は、より幅広く充実した資料展示により、いまも現代社会に
残る差別の完全撤廃の必要性が実感できるように工夫されている。また、文化
フォーラムやホールでの各種芸能等の発表を通じて、人権啓発の一層の強化を
図っている。
アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)は1994年12月にオープ
ンしたもので、国際的な人権情報の収集・発信、調査・研究、研修・啓発等を
通じて、アジア・太平洋地域において、人権の普遍性を定着、伸長させ、それ
をまもっていくとともに、国際化時代にふさわしい人権感覚を醸成することを
目指している。
また、経済のソフト化・サービス化などに伴い、近年、女性の職場進出はます
ます増えている。しかし、まだ職場や社会に課題が残っていることも事実であ
り、各府県は女性対象の講座の開設や専用相談窓口の設置など行い、こうした
女性の地位向上に力を注いでいる。
近年、大阪府は、大阪府立女性総合センター(ドーン・センター)、大阪市は
「大阪市立女性いきいきセンター北部館(クレオ大阪北)」、「同西部館(ク
レオ大阪西)」を女性の社会的参加と自立を支援する拠点施設として設置した。
京都では平安建都1200年記念事業の一環として、(財)世界人権問題研究セン
ターが開設された。人権問題に古くから深くかかわってきたという京都の歴史
的背景を生かし、海外の研究者との共同研究などによって、「人権の世紀」と
いわれる21世紀に向け、研究面での世界的な貢献をはたすことが期待されてい
る。
大阪国際平和センター(ピースおおさか)は、戦争の悲惨な体験を正しく伝え
るとともに、平和の尊さを世界に発信することを目的とした施設である。大阪
大空襲の記録、国民を戦場に駆り立てた召集令状など、戦時下での国民生活を
示す資料を展示しているほか、日本が近隣の国々に行なった侵略行為や、広島、
長崎の被爆の記録などの常設展示をはじめ、毎年特別展示も行い、平和への取
り組みに努めている。