食品工業

食品業界でも、各分野で日本を代表するメーカーが関西を中心に製造拠点や、 研究開発施設を擁している。大阪市に本拠を置くサントリーは、日本で初め て京都郊外の山崎にウィスキー蒸留所を開設したパイオニアで、国内シェア 60%を占めるウイスキーをはじめ、ビール、ワイン、清涼飲料、さらにバ イオテクノロジーを使って医薬事業にも進出している。
ビールのアサヒビールは、大阪が創業の地で、関西には吹田と西宮に2工場 を設けている。近年そのシェアを伸ばしており国内シェア27%を占めるまで 成長した。
神戸市の東部灘地域及び西宮市は、江戸時代から続く日本酒の産地で、地域 別では国内で40%の生産量を誇る。京都市南部の伏見も古くから続く産地で、 灘の「辛口」「男酒」に対して、伏見は「甘口」「女酒」と称される。灘の 出荷量は、特撰で全国の53%、清酒全体では29%を占めており、伏見は全国 の12%を占め、灘に次いでいる。
世界で年間230億食も消費されている即席めんの第1号「チキンラーメン」を、 1958年に開発したのが日清食品である。1971年には「カップラーメン」も開発 したが、これは今日でもベストセラーを保っている。現在、世界10か国に21 工場を展開している。
ハウス食品は、カレーなど香辛料では我が国最大手で、インスタント食品や スナック菓子、ミネラルウォーターの売り上げも伸ばしている。 キャラメルから出発した大手菓子メーカー、江崎グリコは、アイスクリーム やレトルト食品などにも進出している。神戸の上島コーヒーは、コーヒーの 栽培から豆の輸入、焙煎の一貫メーカーで、そのUCCブランドはわが国で最 も親しまれるブランドに成長した。