新しい商業の萠芽

大阪ワールドトレードセンター(WTC)の50階にワールドトレードセンター大阪 (WTCO)が併設された。WTCOは世界貿易センター連合(WTCA)に加盟し、世界の主 要都市など282機関、40万人の会員と情報交換や人的交流を進めている。中 層階には貿易、港湾、金融、情報関連企業のオフィスが入居している。
また近年、カタログ販売が成長し続けている。女性の社会進出と相まって、買 物に多くの時間をさけない人々が増えたことも大きな要因と考えられている。 業界2位の千趣会は1955年に創業、大阪に本社がある。OLを主な対象にしたこ けしの頒布会からスタートした。家庭料理のメニューの多様化に合わせて、料 理の献立カードを販売し75年から衣料、雑貨などの通信販売に乗り出した。95 年の売り上げは1,650億円余に達している。
大阪府下に本社のあるギフト・通信販売の大手、シャディは、日本で唯一の代 理店通販システムで堅調な伸びを示している。全国のシャディチェーン3,000 店とサラダ館600店で有名店舗カタログ販売を実施している。
郵便から一歩進み、パソコン通信を利用したカタログ販売、エレクトロニッ ク・コマース(電子商取引)の実用化も近い。また(CATV)(ケーブルテレビ) を使ったテレビ・ショッピングも今後、成長が見込まれている。
スーパー業界で高い成長を見せてきたのがコンビニエンス・ストアである。日 本人のライフ・スタイルの変化に合わせた深夜営業と、居住地の近隣に設置さ れた利便性から急増し、1991年には全国で約42,000店に達している。全国で 5,000店を越える店舗を展開するコンビニエンス・ストアチェーン、ローソン は、24時間営業が基本で、100m2前後の売り場面積に食品を中心に身回り品、 書籍など商品構成は3,000品目を越える。
最近では、物品販売以外に、宅配便取次、公共料金の納入窓口、コンサート、 JRのチケット販売など各種サービス機能を強化している。