
日本のカメラは、その生産高において、1967年にドイツを抜いて世界一の座を
獲得した。大手5社の一角を占める大阪のミノルタは、世界で初めて本格的な
全自動オートフォーカス一眼レフカメラを開発し、海外でも高い評価を受けて
いる。また同社は、複写機でも、高品質な機能をいち早く開発してシェアを伸
ばしている。関西には、ミノルタや三田工業を含めてコピー機メーカー5社が
集中し、技術開発にしのぎを削っている。
ダイキン工業は、業界トップの業務用エアコンをはじめ、家庭用エアコンから
大型空調機器まで手がける総合的な空調メーカーである。近年、フッ素化学製
品から油圧機器など異色の分野に加え、電子機器や医療機器なども手がけ、多
角経営に乗り出している。
京都には、制御機器の最大手で国内シェア40%に達するオムロンがある。ファ
クトリー・オートメーション(FA)機器のほか、駅の自動改札装置、銀行の現金
自動預金支払機(ATM)、身近なところでは電子血圧計や電子体温計などの健康
機器も製造している。和歌山の島精機は、電子制御横編機のメーカーで、国内
シェアは80%に達して、特にCG技術ではわが国でもトップクラスのメーカーで
ある。また同じ和歌山のノーリツ鋼機は、写真現像処理機器で国内首位のメー
カーであり、ミニラボ機でもパイオニア的存在である。
農業機械の分野でも、大阪のクボタが業界トップで、トラクター、コンバイン、
エンジンなどを国内外に供給している。水道用鋳鉄管、住宅用屋根材のトップ
メーカーでもあり、環境プラント、砂漠緑化事業にも実績がある。
兵庫県姫路市のグローリー工業は金融機関などの通貨処理機器や、たばこの自
動販売機で国内シェアを伸ばしてきた。現在では、その緻密な機能と製品の信
頼性で「地方都市発世界へ」と飛躍する極めてユニークな企業となっている。