
今後10年の全国レベルでの住宅の着工戸数については、新規、建替両需要をあ
わせると120〜150万戸レベルの堅調な需要が見込まれ、その内、関西地域では
20〜25万戸程度の安定した需要が今後とも続くものと考えられる。さらに短期
的には阪神・淡路大震災からの復興需要が推定約12万戸程度見込まれている。
関西は、プレハブ住宅発祥の地で、世界一の売上げ高を達成した積水ハウスを
含め、多数の日本を代表する主要メーカーや関連産業が集まっている。今日の
日本の住宅建設戸数の20%強がプレハブで、今後さらに拡大する傾向にあるが、
全国のプレハブ住宅販売戸数に占める関西系メーカーのシェアは60%を越えて
いる。プレハブ住宅は、在来木造住宅に比べ、断熱、不燃化などの性能が高く、
さらに最近は暖房・給湯システム、セキュリティシステム、ホームオートメー
ションなどの設備が充実するようになってきた。耐震性も高く、最近の阪神・
淡路大震災でもプレハブの個人住宅で倒壊した例はなかったと報告されている。
2世帯住宅など新しいタイプの住宅の開発、リフォーム需要の掘り起こしなど
新しい分野の開拓も行っている。積水ハウスは、プレハブからマンション、
都市開発へ業容を拡大する一方、在来工法住宅も手がける。
大和ハウス、ナショナル住宅産業は鉄骨プレハブを中心に事業を拡大してい
る。エス・バイ・エルは高級注文住宅を中心にしながらプレハブにも進出する
など、関西のメーカーは、それぞれ得意分野を保持しながら、業容を宅地
開発、リゾート事業等に拡大、互いに販売を競っている。
関西には、住宅設備機器の分野で、照明器具の松下電工、給湯機器のノーリ
ツなど有力メーカーが多数あり、わが国、住宅関連産業の集積地である。
太陽工業はテント専門メーカーとして発展してきた。今では、東京ドームな
どの国内市場はもとより、海外でもその実績を買われて幅広く事業を展開し、
デンバー空港、アトランタ・オリンピック等の膜屋根を手がけている。