エンターテイメント

大阪港の一角に1990年オープンした、「海遊館」は北極、北米、南米、南極な ど環太平洋の海の自然環境が、14の水槽に再現され、約580種、35,000点の生 物が展示されている。魚のほかペンギンやカワウソも飼育し、「太平洋」と名 づけられた大水槽(深さ9m、水量5,400トン)では、ジンベエザメやエイ がゆったりと回遊している。館全体の水槽の総水量は計11,000トンに達する が、海水は循環利用され、外部からの搬入をほとんど必要としないコンピュー タ制御されたハイテク水族館である。
宝塚歌劇は、関西の大手私鉄、阪急電鉄が1914年に創設した。海外公演も数多 く、関西を訪れる外国人の中にも、この世界に例のない形式の歌劇を見に訪れ る人が多い。
男性の役も含め、すべて若い女性が演じる。日本の歌舞伎の舞台様式とフラン スのレビュー形式を取り入れた華やかな舞台で、近年はフランス革命に題材 を取った「ベルサイユのばら」、米国の南北戦争を描いた「風と共に去りぬ」 が大ヒットし、演劇としての評価も高まってきた。独自の俳優養成学校と劇場 を持ち、脚本から大道具・小道具、オーケストラなどすべてを抱え、オリジナ ルの新作を生み出し続けている劇団でもある。
同じく、女性だけの歌劇団として、OSK日本歌劇団がある。奈良・あやめ池遊 園地円型大劇場を本拠に定期公演を行っている。近年は、大阪・近鉄劇場を中 心に、日本の古代史に題材を採った「大津皇子」、「天上の虹」などの他、オ リジナルのミュージカル作品を発表し、東京・名古屋をはじめ、各地に公演を 展開している。
「お笑いの本場」といわれる大阪の「笑い」を支える吉本興業は、1912年に創 業。戦後は、テレビの登場以来、番組作り、タレントの派遣に力を入れ、落 語、漫才、新喜劇などの演芸を提供するわが国最大手のエンターテイメント企 業に成長し、所属タレントも400人を越えている。1993年に名古屋、94年に 東京に新しい劇場をオープンした。香港のTV局とは94年に、番組を共同制作 し、中国・上海では芸能番組の提供を含めた合弁事業の可能性について調査 に入っている。
また歌舞伎、映画の老舗松竹が経営する松竹新喜劇がある。若い観客を対象と したギャグやアドリブを散りばめた吉本の舞台に対し、松竹は上方の人情をベ ースにした舞台で、比較的高い年齢のファンを集めている。 伝統芸能の分野では、大阪、京都に歌舞伎の劇場があり江戸時代以来の上方歌 舞伎の演目を伝えている。
芸妓、舞妓のおどりを上演する歌舞練場は、京都市の祇園はじめ4か所にそれ ぞれ置かれている。