エネルギー・鉄鋼

エネルギー関連分野についてみると、関西は全国比で、人口17%、工場数20.8 %、事業所数18.1%で、首都圏に次いで大きな集積があり、電力、ガスなどの エネルギー需要も大きく、全国消費量の内、電力は16.7%、都市ガスは32%を 占めており、今後も関西のエネルギー需要は増加傾向を示すものと考えられる。 関西一円に電気を供給しているのが関西電力である。総設備容量3,536万キロ ワット(1994年度末)に占める原子力の割合は、27.6%に達しており原子力発 電への依存度は他の地域に比べ高い。LNGと石油が52.5%、水力は19.9%と なっている。福井県の若狭湾では原子力発電所が集中しており、動力炉・核燃 料開発事業団による高速増殖炉「もんじゅ」の運転も開始されている。 また、環境保全に適した新たなエネルギーの開発を目指して、NEDO(新エネル ギー・産業技術総合開発機構)からの受託で、神戸・六甲アイランドに 41,000m2の新エネルギー実験センターが建設され、太陽の光を太陽電池で電気 に変えるシステムが研究されている。
太陽光発電に使用する太陽電池は、関西にある京セラ、シャープ、三洋電機が 3大メーカーで、家庭用の国内生産量の約90%を占めて、圧倒的なシェアを誇 っている。
大阪ガスは、大阪、京都、神戸とその周辺の約570万戸に都市ガスを供給して いる。原料はかつての石炭、石油から、現在は天然ガスへと移っている。天然 ガスの輸入先は、ブルネイ、インドネシア、オーストラリア、マレーシアなど アジア太平洋各地に分散し長期的に安定した原料の確保に努めている。大阪府 下の泉北製造所、兵庫県下の姫路製造所の2つが主力製造拠点となっている。 鉄鋼業では、国内の大手5社のうち住友金属、川崎製鉄、神戸製鋼の3社が関西 系で、日本の粗鋼生産の3割弱を生産している。また、わが国最大の新日鉄も 堺市の臨海部に製鉄所を稼働させている。関西系メーカーはいち早く特殊鋼分 野に進出するとともに、自動車の軽量化のための高張力鋼や、鉄鋼素材と炭素 繊維、セラミックスなどとの複合新素材の創成にも取り組んでいる。